「あなたが目を覚ますのを、ご主人がお待ちですよ」遠くのほうで聞こえる声に、彼女はほんの少しまぶたを上げた。「ニキ、目をさましておくれ」今度は別の声がする。ようやく焦点が合うと、そばで見つめる青い瞳。このセクシーな男性が夫? そして、私の名前はニキ? 疑問を抱いたまま再び闇にのまれ、やがて意識が戻っても、彼女の夫と名乗るトレントの話が信じられなかった。私はハネムーンの最中に崖から転落したらしい。でも、彼は夫じゃない。以前にもこんなに情熱的なキスをされていたら、わたしは決して忘れるはずがないもの。
#並~並下程度/表紙に少し傷あり。少し小口ヤケあり。
#120g