エイブラハム・ダンフォースはいらだちを覚えていた。困難な選挙戦に打ち勝った今、やっとニコラとの逢瀬をゆっくり堪能できると思っていたのに、なぜか彼女は距離を置こうとするのだ。エイブラハムは決意した。なんとしてももう一度、彼女をこの腕に抱いてみせる。
ニコラ・グランビルは困惑していた。エイブラハムが当選を決めた今、スキャンダルは禁物なのに、なぜか彼はかかわりを断とうとしないのだ。でも、どうしても彼のもとを去らなければ、吐き気をおさえながら、ニコラは自分に言い聞かせた。
#並~並下程度/表紙に傷あり。小口ヤケあり。ページヤケあり。
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