フランス人の仕立て屋マダム・フェリスをひと目見るなり、マーカスは自分の愛人にしたいと思った。そして、彼女の隠れ家を突き止め、愛人にならないかと持ちかけたが、すげなく断られた。女性たるもの、こんな恥ずべき申し出を受けるわけにはいかないというのだ。いつもはさっさと退散するマーカスだが、なぜか諦めきれない。彼女の孤独な影、不自然なフランス訛、愛くるしい唇・・・ マダム・フェリスは何から何まで謎めいている。これが恋か? マーカスは自分の胸に手をあてて問うた。
#並下程度/表紙に傷あり。小口ヤケあり。ページヤケあり。
#120g