《愛の国コルディナ(2)》
◆ プレイボーイ・プリンス
もの静かで堅苦しく、退屈させられそうな女性だ。ぼくの好みのタイプとはかけ離れている。父のアルマン公の執務室で引き合わされた女性に、ベネット王子は興味を抱くことができなかった。彼女の名はハンナ・ロスチャイルド。イギリスの名家の出身で、兄のアレクサンダーの妻イブの友人としてコルディナにきたという。修道女のような地味な服を着たハンナは、プレイボーイ・プリンスとして名高いベネットには、およそ恋の対象とはなりえなかった。だが、ハンナのその堅苦しい装いの下には、王室を探るスパイとしての顔が隠されていた…。
#並~並下程度/表紙の角に傷み傷あり。
#130g