今日で二十五歳・・・。モリーはため息をついた。流行に無頓着な髪型、地味な服装、おとなしい顔立ち・・・モリーはどこから見ても典型的な図書館司書だった。こんな私に、憧れのリアムが振り向いてくれるわけがない。モリーは幼なじみのリアムにひそかに恋をしていた。ハンサムで女性にもてる彼は、もちろんそんなことには気づかず、モリーのことを単なる友達としか思っていない。でも、二十五歳を機に、今までの消極的な私とはさよならしよう。まず、リアムをやきもきさせようと、モリーは嘘をついた。私にはずっと心を寄せているミスターXがいる、と。そして、彼好みに髪を赤く染め、化粧をし、派手な服を着てみた。すると狙いどおり、リアムは俄然モリーに興味を持ち始めたようす。モリーは今さらミスターXが架空の人物だとは言えず・・・。
#並下程度/表紙に汚れ・傷あり。小口ヤケあり。(強)ページヤケあり。(強)
#90g