イタリアの都市ベローナでジリアンは運命の男オーウェンと出会う。姓も知らぬ相手と深い口づけをしたことに怖じ気づき、翌朝、彼女はベローナを発つ列車に飛び乗った。ホームを駆けてくるオーウェンを見つけ、心が揺らぐが、無情にも出発時刻を迎えた列車で二人を引き離した。二年後、弁護士となったジリアンは仕事に生きる日々を送っていた。あるとき父の会社が悪名高きムーア・エンタープライズに買収され、先方の社長と父との話し合いに彼女が立ち会うことになった。そこで父の敵の姿を見て、ジリアンは息をのんだ。彼が悠然と言った。「はじめまして。オーウェン・ムーアだ」。
#並~並下程度/表紙に少し・傷あり。小口ヤケあり。(強)
#120g