《孤高の鷲(Ⅰ)》
すみれ色の瞳で一世を風靡したトップモデルはもうここにはいない。タイラー・スチュワートは結婚式の朝、ホテルの屋根で鏡に映ったみずからのウエディングドレス姿に衝撃を受けた。かつて貧困にあえいだ彼女は故郷を捨て、頂点をきわめた。にもかかわらず、人に裏切られ、手元には何の財産も残っていない。そして今、身売り同然に嫁ごうとしている…。やっぱりこのまま結婚なんてできない!とっさに逃げだした彼女は、隠れようと飛び込んだホテルの一室で凍りついた。「ノックもなしとは。事情を説明してもらおうか」氷のように冷ややかな青い目の男がタイラーに拳銃を向けていた。
#並下程度/表紙の角に折れ線・傷あり。小口ヤケ・シミあり。(強)ページヤケあり。
#130g