やはり、たったひとりの身内のおばさんを故郷の町にひとりきりでほうっておいてはいけなかったんだわ。おばが“いかがわしい”連中を下宿させているという匿名の手紙に、レイチェルはとるものもとりあえず、故郷の生家に帰った。元教師の黒人女性、ロマンスグレーの自称骨董商、おなかの大きな家出少女、流れ者の大工―なるほど。閉鎖的なこのあたりでは眉をひそめられそうなメンバーだ。だが、おばのキャリーはレイチェルの心配に耳を貸さなかった。自分の部屋を大工のサンダーに占領され、レイチェルは心穏やかでない。しかも、部屋ばかりか、心までも占領されてしまいそうだ。町の人々は、最近ジプシーの悪さが多いと騒いでもいる。この町はなんだか急に騒々しくなってきたみたい…。
#並下程度/表紙に読み折れ・擦れ傷あり。小口ヤケ・シミあり。紙の変色あり。ページヤケあり。シール跡あり。
#190g