真珠をちりばめたサテンのウエディングドレスに身を包み、テサは今まさに花嫁になろうとしていた。求め続けてきたものが手に入るなら、花婿を愛していないことなど問題ではない。「招待客のリストから僕をはずしたのは兄の差し金か?」背後から聞こえた声に、テサは飛び上がった。グリフ―テサより仕事を選んだかつての恋人。そして、花婿クレイの弟だ。自分からいなくなったくせに、今さらなんの用なの?グリフに構わず、テサは式場へ向かおうとした。だがそのとたん、グリフはテサを抱き上げて肩にかつぎ、自分の車に乗せるとじっと見つめた。「君に愛のない結婚をさせるわけにはいかない」
#並~並下程度/表紙に少し傷あり。小口ヤケあり。ページヤケあり。
#100g