わたしは魔法の力を信じているのに、きょうもまた魔女の休日だったらしい。待ちかねている人物は一向に現れず、エーリエルは部屋の片隅で静かに座っている少女を見つめた。親の死や離婚のせいで心を病む幼き者たち。エーリエルはそんな子供たちのクラスを受け持って、彼らが立ち直るための手助けをしている。保護者との綿密な連絡が必要なのに、モウイの父親だけは再三の呼び出しにも応じない。一度も顔を見せない父親に抗議しようと少女の家に出向いてみると、デイモン・キンケイドは三人の幼い娘の世話に悪戦苦闘していた。亡くなった妻に任せっきりだった子供たちの扱いがわからず、彼は父親としての自信をすっかり失っている。愛情あふれるエーリエルは手を貸さずにはいられなかった。奇跡よ起これ、子供たちのためだけでなく素敵な父親のためにも。
#並下程度/表紙に傷あり。小口ヤケあり。一部ページヤケあり。(強)
#140g