10代のころから、カミシャは自分が人の視線を集めることに気づいていた。輝くシルバーブロンド、しなやかな肉体、優雅な身のこなし。男たちの思わせぶりなゲームは慣れていた。この人も、いまにお定まりの誘いをかけてくるに決まっている。だが、目の前のジョン・レオパルドはいっこうにその様子を見せなかった。カミシャはアスペンに広大な敷地を構える、あらゆる施設の整ったリゾートスタイルのスポーツクラブのPRディレクターだ。大事な職場であるクラブ内で、許せない違法行為が行われている。ニューヨークにいるオーナーに息巻いて直訴しにやってきたのだった。マファイア一家の長男だという噂のオーナー、ジョンは、ちょっと足をひきずった、この上なくクールで危険な感じのする男だった。悪事の黒幕は、もしかすると彼かもしれないのだ・・・。
#並~並下程度/表紙に傷あり。小口ヤケ・シミあり。(強)ページヤケあり。
#190g