「叔父さん、ぼくを猿と結婚させるなんてひどいよ!」夫となる少年のその言葉は、十歳の花嫁の心に傷を残した。幼いベスは教会の祭壇の前で泣きながら結婚したくないと言い張ったが、結局儀式は進み、少年ドルーの正式な妻となった。相手は高貴なエクスフォード伯爵家の跡継ぎだと言われても、不器量な自分と紅顔の美少年が夫婦だと考えるのは耐えられなかった。彼は、おとなになったらまた会おうと言い残して、すぐに去っていった。そして十年の歳月が流れ、ついに再会のときが訪れた。十年間なんの音さたもなかった夫の、気まぐれな帰還だった。
#並下程度/表紙に傷あり。裏表紙に傷あり。小口ヤケあり。(強)ページヤケあり。
#160g