目をあけたアンは、体を起こしてぎょっとした。寝ていたのは見慣れないキングサイズのベッドで、枕からはまぎれもない男性の香りが漂ってくる。ここはこ?昨日は、親友のキャロリンの結婚式に出席した。アレルギーの薬とシャンパンのせいで具合が悪くなり、新郎のいとこ、ラフィークの車に乗せてもらった。そこまでは覚えているけれど、あとは何もわからない。テーブルの上の置き手紙を見て、アンは頭を抱えた。〝すてきな夜をありがとう。あとで電話する〟まさか私はゆうべ、あのプレイボーイと?こんな地味な私に彼が惹かれるなんて思えないけれど・・・。いてもたってもいられず、アンははだしで部屋を飛び出すと、真相を知るために、ラフィークを捜し始めた。
#並下程度/表紙に少し傷あり。小口ヤケ・シミあり。ページヤケ・シミあり。
#90g