《明日へのかけ橋(Ⅰ)》
「愛っておかしなものなのよ」アニーは三人の愛すべき養子たちに向かって言った。「特別な相手っていうのは、ほしいと思って得られるわけではないの。孤児院で会った、目の大きな、寂しそうな笑顔の二人の鼻たれ小僧ととなぜかどうしても離れられなくなったり、そうかと思うと、異国の街角で女の子の赤ちゃんがぽんと自分の腕に投げこまれて、その子が永遠に自分のものになったり。かと思うと、鉄条網の上から海軍の警備兵がにっこり笑って言うの。“あんたみたいなすてきな娘さんが、こんな所で何してるんだい?”」
#並下程度/表紙に読み折れ・傷あり。小口ヤケ・シミあり。(強)紙のページヤケ・シミあり。
#180g