《罪をあがなう億万長者(3)》
体育館で合唱指導をしていた音楽教師のシーリアは、 突如歓声をあげた生徒たちの視線の先に目を投じた。マルコム……? そこには、ずっと忘れられなかった初恋の男性の姿があった。 18年前、彼女が妊娠に気づいた直後、彼は麻薬組織への関与を疑われ町から姿を消した。赤ちゃんを二人で育てる夢は儚く消え、 その後今日まで、マルコムが戻ることはなかった。 今や世界的ミュージシャンとなり、巨万の富を得た彼は洗練され、 大人の男性の自信に満ちあふれている。 そんな彼が、なぜ私に会いに来たの? とまどうシーリアに、彼は言った。 ぼくと一緒に世界ツアーに同行しないか、と。
#並~並下程度/表紙に少し読み折れ・傷あり。小口ヤケあり。(強)
#90g