「彼がこの子の父親なんです」伯爵家の次男スティーヴンの死亡記事を見た看護婦マーシーは、その忘れ形見である赤ん坊をスティーヴンの母親に返し、自分は乳母としてそのそばにいたいと訴えた。ひとりでは育てられないと理解しつつ、どうしても子供と離れることはできなかった。ところが、そこへスティーヴン本人が現れる。記事は間違いで、怪我のせいで戦争中の記憶を失い、イギリスへ戻っていたのだ…。再会を喜びつつも、勇敢で明るく洒脱だったスティーヴンに漂う影にマーシーは戸惑う。記憶喪失であることを告げられず、愛したはずの女性を思い出せないスティーヴンと、愛のために“ある嘘”をついたマーシーは互いに秘密を抱えたまま、惹かれあうようになるが…。
#並~並下程度/表紙カバーに傷あり。少し小口ヤケあり。
#280g