天涯孤独のオールターは、とある婦人の付き添い役をしている。とはいえその肩書きは名ばかりで、実のところは小間使い同然。いばり散らす女主人にこき使われ、暴言を吐かれる毎日だ。そんなある日、スペインの高級ホテルに滞在していた一行は、社交界に名をとどろかす伯爵、エストゥアルドに出会う。すぐさま伯爵の気を引こうとする女主人を尻目に、意外にも彼は、ひっそりと佇むオールターを夕食に誘ってきた。私みたいな女に、どうして伯爵さまが?いぶかるオールターに、伯爵はある契約を持ちかけた―結婚という名の、契約を。
#並~並下程度/表紙カバーに傷あり。
#110g