(上)18世紀、霧のロンドン。最高の贅沢を身につけた誇り高いレディ、シャナは、今、窮地に陥っていた。21歳の誕生日までに結婚相手を見つけなければ、父にどんな男を押しつけられるかわからない。一代で豪商に成り上がり、今やカリブ海のロス・カメロス島の領主となった父の野望は、シャナを名門に嫁がせ、由緒ある名前を手にすることだった。約束の日は迫る。あせったシャナは、ある日、死刑囚との偽りの結婚で父を欺くことを思いついた。「あとは、悲しみにくれる未亡人のふりをすればいいわ」選んだ男はルアーク。彼は、傲慢にも一夜を共にすることを条件に、シャナのプロポーズを受け入れた。
(下)父を欺くため、死刑囚との偽りの結婚を遂げたシャナだったが、死んだはずの“夫”ルアークが奴隷としてロス・カメロス島に送り込まれてきたのだ。彼女は不安に捕らわれながらも、次第に彼に魅せられていく。しかしシャナは、ルアークへ言い寄るミリーへの嫉妬から、心とは裏腹に彼を島から追放してしまう。そんな騒ぎの中、海賊の島メアズヘッドに捕らえられたシャナ。穴の中に突き落とされ、弄ばれ、もうこれまでという時、目の前に差し出されたのは、あろうことかルアークその人の手だった・・・。
#並~並下程度/表紙に傷あり。裏表紙の角に折れ線あり。小口ヤケ・シミあり。
#530g