《夢の国アンブリア(3)》
すべてはあの日に始まった。ペレアはモンテとの出会いを今も思い出す。「迫われているんだ。かくまってもらえないか?」アンブリアの王宮の一郭に住むペレアは、不意の侵入者に驚かされた。衛兵に追われていた彼を、ペレアはとっさに寝室に隠し、そのあと2日間、騒ぎが静まるまで一緒に過ごすことになった。とても危険ななりゆきだったのに、ペレアは一目で彼に魅せられていた。そして、彼がアンブリアを以前治めていた王家の皇太子モンテで、主権を奪い返そうと、城に忍び込んで動きを探っていることを知った。そのモンテが何カ月も経ってから、また戻ってきた。でも、もう遅い。彼女は現政権の後継者とされるレオナルドとの婚約をすでに決めていた。片時も忘れたことのないモンテとの赤ん坊を身ごもったまま…。
#並~並下程度/表紙に傷あり。少し小口ヤケあり。
#90g