《夢の国アンブリア(2)》
ケリーは雑誌で偶然目にした写真を見て、息がとまりそうになった。ジョー・タナーという男性の写真だった。それは25年前、政変で殺害されたとされる、アンブリアの王家の人々にそっくりだった。やはり王家の子供たちのうち何人かは生き延びていたのだ…。通信社に勤めるケリーにとって、彼の住所を調べるのは簡単だった。ケリーは休暇を取って、ジョーが住むカリフォルニアへと向かった。できるだけ接近して、彼のことがもっと詳しく知りたくて。でも近づきすぎて気づかれてしまった。彼を見失ったと思ったとたん、ケリーは、たくましい男性の腕で地面に押さえつけられていた。「君は誰なんだ?答えるまで、ずっとこうしていてもいいんだぞ」。
#並~並下程度/表紙に傷あり。少し小口ヤケあり。
#90g