シアトル、バンクーバー、そしてウィーン。彼はどこまで私を追いかけるつもり? パーティ会場にサルク国王の弟であるシーク・ザイドの姿を認め、心理学者のルーはあきれかえった。数日前から彼女は旧知のザイドにつきまとわれていた。早急に結婚する必要があり、相手を探してほしいというのだ。ルーは専門知識を生かしてときどき結婚の仲介もしているが、ザイドには傷つけられた過去があり、頼みを引き受ける気はなかった。しかし、根負けして話を聞いてみることにしたルーは、結婚の成否が一国の存亡にかかわると知って動揺した。
関連作品=「熱きシークたち」
#並~並下程度/表紙に少し傷あり。裏表紙に少し傷あり。小口ヤケあり。
#90g