それは今まで味わったことのないキスだった。暗闇で不意に唇を奪われたのに、一瞬でも反応した自分が信じられない。エリーは忍び込んできた男を振り払い、寝室の明かりをつけて驚いた。アンジェロ!さっきディナーパーティで紹介されたイタリア人伯爵。彼もパーティの招待客で、離れた部屋に泊まっているはずなのに。食事の席でほほ笑みかけられただけで、エリーは息が苦しくなった。だけど彼は、わたしと一緒に来た従姉と情事を重ねていると聞いた・・・。「きみだったのか?でも、なぜだ・・・」そう、アンジェロはわたしと従姉を間違えたのだ。なのに二人は、騒ぎを恐れた彼の祖母から婚約を命じられてしまう。
#並~並下程度/表紙に少し読み折れ・傷あり。小口ヤケあり。
#90g