婚礼の宵、ジェルーサは式の直前に薔薇園に逃げ出した。憧れのトムとの結婚、豪華な祝宴、なんの不満もなかったが、ウエディングドレスのまま、おとなしく部屋にこもっているのが窮屈で、息抜きがしたかったのだ。ところが、薔薇園には兄の友達と思われる若い金髪の男性がいた。トムにはない男性的な魅力と甘いささやきに、ジェルーサは警戒心を解き、気安く言葉を交わした。しかし、一輪の薔薇を摘もうと身をかがめた瞬間、背後から手が伸び、薬品のしみ込んだハンカチで鼻と口を覆われた。目覚めたとき、ジェルーサは見たこともない納屋の片隅にいた。そして隣には・・・ 青い瞳に冷ややかな表情を浮かべたあの金髪の男性が彼女をじっと見つめていた。
#並下程度/表紙に傷あり。裏表紙に傷あり。小口ヤケあり。(強)ページヤケあり。
#150g