《富豪一族の肖像(3)》
アリソン・フォーチュンは華やかなパーティ会場で、射るような視線を向けてくるたくましい男性に気づいた。モデルという職業柄、賞賛のまなざしには慣れているけれど、こんなふうに冷ややかに見られるのは初めてだ。アリソンは居心地の悪さと同時に、奇妙な胸のざわめきを感じた。彼は、実は両親が雇ったボディガードのレイフで、脅迫電話に悩まされているアリソンを守るためにこれから始まるサンタフェでの撮影にも同行するという。彼とずっと一緒にいるのは危険だ ―アリソンは思った。だが待ち受けていたのは、彼女の想像をはるかに超える危険だった。
#並~並下程度/表紙に傷あり。小口ヤケあり。
#120g